この記事では JBoss BPM Suiteをセットアップする際、とても便利な設定に関するトリックをいくつかご紹介します。JBoss BPM Suiteは JBoss BRMSのスーパーセットなので、BPM Suite用に書かれた記事ですが、どちらの製品にも使うことができます。
JBoss BPM Suiteのインストール時、プロパティによりたくさんの設定を行うことができます。グラフィカルインストーラーを利用した場合、設定できるプロパティは限定されます。deployable版をインストールされる場合、あなたの思い通りにプロパティ値を設定できます。
現在 OpenShift bpmPaaSカートリッジで使われているプロパティ値をいくつかレビューします。JBoss BPM Suiteの起動時、既存のプロジェクトがどのように自動でインストールされるか確認できます。
その他、「一般的なローンのデモ」をベースとしたデモをレビューします。プロパティ値が自動インストール時にどのように使われ、ローカルマシン環境が簡単に構築できるのかを確認します。
プロパティの設定
まずは、プロパティがすでに設定されていたり適応されている箇所から確認していくのが良いでしょう。standaloneモードで JBoss EAP serverを起動されている場合、standalone/configuration/standalone.xml を確認してください。
この記事では興味深いプロパティをご紹介します。すべてのプロパティをリストしているわけではないので、詳細についてはドキュメントをご確認ください:
- org.uberfire.nio.git.dir
- ローカル GITリポジトリーの保存場所です。.niogit/ ディレクトリが作成されます
- 初期値: ワーキング ディレクトリ(サーバーを起動したディレクトリを指します)
- org.uberfire.nio.git.daemon.enabled
- GITデーモンの 有効化/無効化
- 初期値: true
- org.uberfire.nio.git.daemon.host
- GITデーモンが有効な場合、ローカル ホストの指定に使います
- 初期値: localhost
- org.uberfire.nio.git.ssh.enabled
- SSHデーモンの有効化/無効化
- 初期値: true
- org.uberfire.nio.git.ssh.host
- SSHデーモンが有効な場合、ローカルホストの指定に使います
- 初期値: true
- org.uberfire.nio.git.ssh.port
- SSHデーモンが有効な場合、ポート番号の指定に使います
- 初期値: 8001
- org.uberfire.nio.git.ssh.cert.dir
- ローカル証明書が .securityディレクトリ配下に保存されます
- 初期値:ワーキングディレクトリ(サーバーを起動したディレクトリを指します)
- org.uberfire.metadata.index.dir
- Luceneの .indexディレクトリが保存されます。
- 初期値: ワーキングディレクトリ(サーバーを起動したディレクトリを指します)
- org.guvnor.m2repo.dir
- Mavenリポジトリの保存場所です。
- 初期値: ワーキングディレクトリ (サーバーを起動したディレクトリを指します)/repositories/kie
- org.kie.example.repositories
- リポジトリが cloneされる場所です
- 初期値: 設定されていません
上記リストで BOLD表記されているものに関しては、次のセクションでより深く見ていきます。
ローカルインストールをする場合の使用例
製品の初期設定をする際、特定のシステムプロパティを利用して設定を調整することができます。これにより簡易性をユーザーに提供することができます。例えば、ログインし、organization structureを設定し、新規プロジェクトを cloneし、デザイナーでプロセスをオープンし、プロジェクトを散策するまでの作業を簡単にできます。
設定内容を上から順に説明します。まず、プロジェクト用のGITリポジトリが必ず JBoss EAP の bin配下で管理されるようにします。同様に、Luceneインデックスと Mavenリポジトリが JBoss EAPの bin配下で管理されるようにします。Mavenリポジトリは、.../bin/repositories/kie 配下で管理されます。
<!-- プロパティの設定は standalone.xml で確認できます --> <property name="org.uberfire.nio.git.dir" value="${jboss.home.dir}/bin" /> <property name="org.uberfire.metadata.index.dir" value="${jboss.home.dir}/bin" /> <property name="org.guvnor.m2repo.dir" value="${jboss.home.dir}/bin" />
bpmPaaSでの使用例
OpenShift bpmPaaSカートリッジに、「住宅ローンのデモ」プロジェクトのコピーをプリインストールする必要があります。この作業は下記プロパティを設定することで実現できます。設定されたディレクトリ配下のプロジェクト内から .gitを見つけ、製品にそれらを cloneします。
<!-- プロパティの設定は standalone.xml で確認できます --> <property name="org.kie.example.repositories" value="${jboss.server.config.dir}/initial" />
このプロパティを設定後、jboss-eap-version/standalone/configuration/initial 配下にディレクトリを作成し、プリインストールしたいプロジェクトをチェックアウトしておくことで、JBoss BPM Suiteが起動される際にプリインストールされます。
このノウハウにより、JBoss BPM Suiteのインストールとデモのセットアップが効率的におこなえるようになったかと思います。良いヒントとなれば幸いです。
原文: Red Hat JBoss BPM Suite - installation configuration tricks with properties by Eric D. Schabell
アクセス数の多い TIPS&tricksシリーズです。今回は JBoss BRMS/BPMSuiteの初期設定に使えるプロパティを紹介しています。リファレンスとしても使える便利なエントリーです。ぜひ継続的にご活用ください!
返信削除JBoss BRMS/BPMSuite を使っていたら、いつの間にか .niogitディレクトリが散在していたという経験はありませんか? そんな方は、ぜひこの記事をご確認ください。他にもすぐ活用できるプロパティがいくつも紹介されていますよ